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DATE:2018.07.12研究レポート
研究こぼれ話『捨てる神あれば拾う神あり』
経営学部 若山 大樹 教授
![医療健康科学部 保科 正夫 教授](/plus/files/20180712wakayama02.jpg)
- 経営学部 若山 大樹 教授
- 研究テーマは、マーケティング諸活動への科学的アプローチ。
研究環境として都内の大学は新参者や新しい研究に寛容である反面、同僚や教員?学生間の繋がりは都会的であると思う。私の大学院での研究活動は、陸の孤島と呼ばれたつくば市で始まった。そこでは複数教員による組織をまたいでの一歩踏み込んだ院生指導が一般的で、研究に対して複数の先生方から真逆の助言を得ることもあった。
研究への評価は人による極めて主観的なもので、AとD( 最高と最低)のように両極端になることもあった。Second Year Essay博士課程中間試験に対する、(副査であった指導教官を除く他の)副査や主査の評価である。Dには「引導を渡すように」との指導教官へのコメントまであった。このDの先生は、大学院入試答案を評価してくださりその先生の専門分野の研究をしてはどうかと、指導教官を飛び越えた助言をくださった先生であった。先生方の相反する助言を全て聞き入れ研究に反映させる能力、その至らなさこそがDなのである。
結局、修士号取得だけで3年半かかったが、その間、組織を超えての多くのご指導や奨学金(返還免除)にも恵まれた。指導教官の異動先や指導教官と縁の深い都内の大学院からは学位取得のための移籍話もいただいた。当時の研究は会員約1,400人程度の中規模学会?学会誌に掲載され、数年後に学会賞(論文賞)をいただいた。救いの手の多くは地方で得た縁故による都会的な研究機関からであったが、地方独特の研究環境や研究の評価といったものは、先々で吉と出るか凶と出るかわからないものである。捨てる神あれば拾う神ありである。
※ 本コラムは『学園通信333号』(2018年7月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。
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